「保育士は誰でもできる」というのは非情で酷い発言なのか?
「保育士は誰でもできる仕事」と言う発言を非道いと仰る方は非常に多いです。
ですが、この言葉の聞こえの悪さを理由に嫌ってしまうのは少々無思考が過ぎるのではないでしょうか?
噛み砕いてみれば本当にひどいのがどこの誰だかハッキリしますが、少なくともそれは堀江氏ではありません。
では、私と共に検証をしていきましょう。
貧困が規制を破壊し、保育士は「誰でもできる」仕事になる
今は確かに誰でもできるわけではない仕事だが
国力の衰弱と貧困は遠くない未来、必ず保育所の無許可運営を許可することになる見通しができます。
そもそも、日本はこれからも福祉国家としてやっていけるかどうか?と言う問いを発した時、必ず疑いの余地が出るのは言うまでもありませんし。
実際、年金は納めても貰えるアテすらなく、もらえる頃にはどう考えても納めた額以上の価値どころか額面も届かない公然の搾取機構と化しています。
生活保護も水際作戦を展開する自治体が珍しくないことからも、国力の衰退を疑う材料は多分に揃ってますからね。
水商売の世界すら世知辛くなり、公務員すら隠れて副業し出すこの状況で公共事業として保育を担うのはしんどい状況というのも疑いようがないですね。
保育から国が撤退し、無法地帯化した上、設備を民間に賃貸で出して継続的な収入源に換えてしまう方がメリットも大きいですからね。
家計負担を増やしつつ経費を節減しすることで消費を結果的に促進でき、税収も上げられますからね。
「保育士の負担増という声を国がどこまで悪用できるか」、「国民がその悪を受け入れられるか」に保育士の生活はかかっている状況でもありますから。
それゆえ、「誰でもできる」というのはあながち間違いではなくなるでしょう。
保育と言う業界の無価値化は法規制が招いている
公定価格が保育士を無価値化している
保育というサービスの場合、最低限度のマニュアル対応さえできていれば、職能を上げる意味なんてありません。
現場は当然、そんなことないのですが財務の面で話をすれば機械的にマニュアルさえ遵守すればいい世界と言えます
貧富の差に関係なくサービスを受けられる公共性の高い事業ゆえ構造的に収入額は一定で、保育士の賃上げが不可能という状況に陥っています。
保育士が付加価値を上げようが何をしようが稼ぎ出せるお金は一定なので、生産性の向上の努力も設備投資についても投資価値がない業界なのです。
1人で見られるのは3人までと言う厚生労働省の定めた法律によってリストラもワンオペ戦術も事実上不可能。
公共による支援ではなく、市場原理という枠に戻すことでしか保育業界の再生はありません。
金持ち世帯向けの「高付加価値が生きる環境」こそが保育と言う世界を復活させることになるでしょう。
企業の生き残り政策というものを甘く見た業界そのものを無価値化した業界など「誰でもできる」と言われて当然です。
ファストフードだって薄利多売が利く仕組みではありませんか?
金を出さなければ安全性もそれなり、というのはクルマ業界以上に公平な話だとぼくは思いますよ?
金持ちと貧乏人を無理やり平等にしようとすればこのような弊害が起きると言うことをぼくたちは学ぶ必要があるのです。
堀江氏を諭すのではなく、国を諭せ
京都新聞のコラム、なんとも胸が痛くなる話だなと思ったけれど、確かに保育園というのは長年家族ぐるみでみっちりお世話になるので、卒園後も含めて子育てのインフラであり、命綱になりうる存在だなと改めて。 pic.twitter.com/3b44W2C6Jz
— ぼのきち (@bono_kichi) 2018年1月21日
財務上、「誰でもできる仕事」にしているのは国だ
市場原理の中に保育と言う業界を投入しなければ、「マニュアル保育士」を結果的に増やすことになります。
マニュアルに従うなんて誰でもできるし、マニュアル以上の職能を身に着けたところで給料に反映されないと言う状況ですからね。
魔王がブラック企業社長になった漫画です pic.twitter.com/8uWie6ymsL
— ベニガシラ (@poppoyakiya) 2017年6月26日
狂人の末路と言うのはいつの世も切ないものです。
それこそ、堀江氏が保育所経営の会社を立ち上げたら、面白いことになるかもしれませんね。
おわりに
営利追求は文明の切り崩しだけでは為しえない
価格に見合った安全を売り、業界全体が足りない部分を補いながらやっていく。
それが商売です。
金持ち向けの高付加価値だけで成り立つものではありません。
然りにそういう状況になればどこかが薄利型の保育所を建て、顧客の奪い合いとは違う方法での生き残り戦術を仕掛けます。
競争だけでも意外と秩序だった業界の維持発展はできちゃうわけですね。
人が見ることもあり、人災が起こらない保証はないですから、保険を充実するなどで業界の保護をするくらいでいいでしょう。
公定価格の上にあぐらをかいた一般人にも問題がある「保育」の問題を「堀江氏の発言が不快だ」「非情すぎる!」と言ってしまうようではダメですね。
公定価格というシステムに甘えてる一般人の方がよほど非情ですよ。
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